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ルナティック・ラヴ 佐緒里の気まぐれ!!!<ラヴトピア別館>

TRANS-GIRL佐緒里がエッチ、フェティッシュ、マニアックな話題でお送りする気まぐれ日記♪

年末年始はドラマ三昧でしょ(笑)。

年末はドラマ三昧とと思ってたら・・・ギリギリまでお仕事です。やだなぁ(汗)。
黒木メイサの「男装の麗人」も田村正和の「忠臣蔵」も録画し忘れ、年忘れ出来ません(笑)。
今夜は「肉体の門」は絶対見ちゃうもん♪
やっぱり、「暴れん坊将軍」も「必殺2009」もドラマの2時間枠はすべて制覇したいっすぅ。時代劇を見ないと正月が越せない病患者は私だけ???

そうそう、「女帝アスカム6.5」もアップせにゃあか~~~ん!!!

追伸:クリスマスはご主人様とデートでした(嬉々)。プレゼントにARMANIの香水を頂きました♪
今度は久々にHのお話をアップしなきゃね!私・・・また、ひとつ階段を一段・・・登ってしまいました(魔笑)。
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  1. 2008/12/27(土) 18:26:29|
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「女帝アスカムⅥ」完成!!!

お待たせです!!!ついに完成しました♪もうちょっと時間かけようと思ってましたが、勢いだけでいっちゃいました(笑)。副題も決めました。「女帝アスカムⅥ トランスサピエンス・ホルモノイド」です。

第4節、交渉

ヴァレンチーナは、プロフェッサー・N.T.美砕瑠のまるで魔法のような攻撃に驚きつつもあきれたようにアスカムに言葉を投げた。

「どういう仕掛け?あなたは007?・・・それともニンジャ?」

アスカムは、ヴァレンチーナのジョークが気に入った。

「アハハハッ、忍者か・・・それはいい。」

アスカムはそう言って小さく笑うと樹花を見つめた。すると樹花はアスカムの心を読み取って、自分のコートの襟元に内蔵された小型スピーカーの音量を上げた。

「教授、どうぞ、お話し下さい。」

樹花がそう言うと知的だか癖のあるロシア語で人工知能・美砕瑠教授が挨拶を始めた。

「我輩はプロフェッサー・N.T.美砕瑠である。ヴァレンチーナ、我輩は貴女との再会を楽しみに待っていた。」

するとヴァレンチーナは、氷の心を自ら赤い炎で溶かして、懐かしそうにそれに答えた。

「美砕瑠教授、貴方でしたか。こんな悪戯をするのは・・・貴方の忠告を聞かずにウィルスを使ったおかげで私はこんな身体になりました。誰を責めることもできない・・・自業自得です。」

「君はずっと苦悩していた。我輩は結局、君を止める事ができなかった。そう、我輩がスヴェトラーナを発掘しなければ、君はこれほど苦悩せずに済んだかもしれない。我輩は遠い過去に日本で自ら引き起こした或る事件と同じ過ちをまた起こしてしまった。我輩の提唱する精神遺伝学からすれば私は実に罪深い人間の末裔だと言えるかもしれない。全く恥ずかしい限りである。」

「さっきまで、ヤフーッとか言ってたくせに。教授、湿っぽい話はココまでにしましょう。」

アスカムは、二人の会話を制して本題に話を移した。

「女王ヴァレンチーナ、用件は一つです。貴女と同じ方法で私は両性具有の肉体を手に入れたい。どうかTR-810ウィルスを譲ってほしい。謝礼は貴女の望むことでいい。」

ヴァレンチーナが、女帝を見つめる。その心に浮かび上がる青い炎に樹花は悲鳴を上げた。

「駄目よ!アスカム!・・・彼女は・・・あなたを欲しがってる。」

ヴァレンチーナは舌なめずりをし、淫らな感情が渦巻き始めた。そして、その欲望の炎が大きく燃え上がる。

「察しがいいね。お嬢さん。貴女の大切な彼はどこから見ても女の子・・・しかもスーパーモデルも真っ青・・・フランス人形のように美しい。そうね、お嬢さんが察したとおり・・・男として、アスカム・・・あなたを抱きたい。」

さらに、男らしさを誇示するような強い口調でヴァレンチーナは女帝を口説いた。

「私との性交渉によって、私の体内に息づくウィルスをあなたに提供することにもなる。TR-810自体に危険はない。感染したからといって何の変化も起こらない。そのことは美砕瑠教授から聞いているはず。」

女帝は、樹花の女性としての深い悲しみに応えられない不甲斐のない自分自身に憤ったが、冷静に心を保ってヴァレンチーナに返答した。

「教授から聞いているよ。セックスの絶頂の中で死を迎えてのみ、このウィルスは活動を始める。そして、感染した人間は死ぬ前の記憶と人格・・・魂を維持したまま胎児へと退行し、最終的には小さな細胞にまで戻ったところで、再び人間の形へと再生を始め、両性具有人類、トランスサピエンス・ホルモノイドとして黄泉がえる(生き返り生まれ変わる)。」

アスカムの言葉を補うように美砕瑠教授が続ける。

「動物・・・もちろん人間においてもだが生命に危機が生じた時、ホメオスタシス(恒常性)というものが発動される。TR-810ウィルスはヒトの生命が絶たれる直前、このホメオスタシスを限界点まで高めるのだ。いまだほとんどが未知の領域である脳内、特に脳下垂体に働きかけ、未知なるホルモンを引き出すのである。 そして、新たなるヒトの進化が始まる。」

その言葉を払うように、ヴァレンチーナは再び凍てついた氷の瞳で女帝を見つめ大きな声を出した。

「お前は、私と同じ・・・人ではないもの・・・異形となるのだ!それで良いのか!」

アスカムの答えは一つしかない。

「答えは最初から決まっている。貴女の申し出を・・・受けよう。」

樹花は自分の分身でもある愛する同胞が渇望する心の叫びを聞いて、観念したように小さくアクティブ(能動的)テレパシーで呟いた。

(あなたが思うように・・・すべきだわ。アスカム・・・あなたの望む世界を手に入れるために・・・)

その時、樹花の水晶のような美しい瞳から大粒の涙が零れた。
アスカムとの愛は隷属の愛・・・樹花は最初からわかっていたのだ。しかしわかっていても尚、アスカムへの永遠と思えるその恋慕の情は消えようがなかった。


続く。

次回作「女帝アスカムⅦ」では、いよいよアスカムが両性具有化ウィルスによって新人類になるその過程を描いていくことになりそうです。エロティックなシーンは次回にお預けです(汗)。

追伸:とtりあえず、今作に関しては、少し時間を頂いて、修正・改定を加えた上で挿絵を作り、ラヴトピアの小説コーナーに移殖したいと思ってます。
  1. 2008/12/11(木) 01:26:23|
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「女帝アスカムⅥ」著者解説。

自作のWEB小説「女帝アスカム」に、ついにお友達のN.T.ミサイルさんをモデルにした人物を登場させることができましたぁ(嬉々)。

その正体は元九州帝国大学、精神病科教授・正木 敬之(まさき けいし)博士であり、今では自らの知能、知識、人格を人工知能(AI)化して、人工衛星に搭載されたそのAIが地上を見つめているという設定です。正木教授は「ドグラ・マグラ」という小説に出てくるので、興味をもたれた方は読書に挑戦してみて。あのね・・・角川文庫版のブックカバーが実にエッチなの(笑)。

ドグラ・マグラ
※夢野久作著「ドグラマグラ」

「ドグラマグラ」は、大正15年頃、九州帝国大学医学部精神病科の独房に閉じ込められた、記憶喪失中の若き精神病患者の物語であり、「私」という一人称で語られていく。

「私」は・・・九州帝国大学の精神病科の病室で目覚める。記憶を失っており、自分の名前すら判らない。法医学教授・若林博士の言葉によると、呉一郎という人物が起こした二つの殺人事件の謎を解く鍵は彼の失われた記憶の中にあるらしい。そして、次第に「私」は殺人犯・呉一郎本人ではないかと思い始める…。同大学精神病科教授・正木 敬之博士は「狂人の解放治療」なる計画の発起人である。学生時代から常人の理解を超越した言動で常に周囲を驚かせてきたが、この正木教授が事件の真相を知っているのは確かであるのだが、若林博士の言葉によると、「私」が目覚める1ヶ月前に自殺したのだという。

・・・とまあ、こんな感じで話が始まる鬼才・夢野久作の描いた世紀の奇書です。怪奇性と幻想性の色濃い作風で、沼正三の「家畜人ヤプー」と並び称される実に魅惑的な作品です。1935年に刊行されて以来、1988年には映画化もされているし、DVDも出てるみたい。最近ではイーストプレス社の「まんがで読破」シリーズで大胆にもコミック化されています。まずは原作をお勧めしますが、難解な物がつらいという方にはコミックって手は確かにあるかもね(笑)。

「まんがで読破」シリーズは結構、こういった奇書と言われる小説のコミック化に挑戦していて、興味を惹かれますね。カフカの「変身」やダンテの「神曲」もあるみたいです。

ダンテの「神曲」は永井豪の「デビルマン」シリーズや「魔王ダンテ」の中でも描かれていて、ご存知の方も多いかも。忠実にコミックした永井版の「神曲」もあるのでこちらも要チェック!!!
  1. 2008/12/10(水) 15:54:12|
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「女帝アスカムⅥ」執筆絶好調!!!第3節入稿なり♪

NTちゃん、ちかたん、応援ありがとです^▽^)/
ヌルハチさんからもメール頂き感謝です!!!
ヌルハチさんの時空を超えるっていうアイディアも今後発展させたいですネ♪

とりあえず、「女帝アスカム」執筆絶好調!!!第3節入稿でっす。第4節はじっくり時間を頂きマース♪アスカムとヴァレンティーナとのエロティックなシーンを妄想中(笑)。

第3節、ドグラ・マグラ

人類の歴史は、概ね男と女という2つの性によってそのほとんどが語られてきた。アスカムは、今まさに新たなるレボリューションを起こそうと思案していた。そう真の第3の性を手に入れ自身がその開祖、始父・・・(いや、始婦というべきか)となり、新たなる勢力を得ようと考えていたのだ。そう両性具有者が中心となって、男と女を分け隔ててきたた既存の社会から完全に独立した自由な世界を・・・性差に縛られないフリーダムを女帝は目指そうとしていたのである。

それには人々を惹きつける大きなシンボルが必要である。アスカムは第一にウィルスによる自身の肉体の両性具有化を実現させようと決めた。第二に「第三の乳房」を得て、両性具有者の頂点に立つ王として自身を神格化するための新たなる肉体美を得ることを考えた。ホルモンの操作により副乳を大きく育て上げ、他の人間との違いを示そうとしたのだ。完全なる異形でありながら、世界中の誰もが美しいと認める存在・・・それが新たなる神の形だとアスカムは信じた。

しかし、アスカムが信じる神の身体を得るに至るには一人の天才科学者の協力が必要であった。
大正末期、九州帝國大学で精神医学を大きく進歩させた正木敬之教授である・・・生きていれば140歳をゆうに越えているはずだが、彼の生死は定かではなく、いまだ生き続け健在であるとだけ・・・アスカムの育ての親、鷲鼻の男の残したネットワークでどうにか知ることができた。

正木教授は、精神医学の進歩の遅れを憂い、治療法がないといって精神を病んだ人々を檻の中に閉じ込めてきた当時の医学からの脱却を図った革新的な人物である。

「腹を痛めた人間と心を痛めた人間に何の隔たりがあるのだッ!」

それが彼の持論であり、口癖だった。

「我輩はそのために理学、工学、医学、心理学、経済学、宗教学、芸術学・・・すべての学問の知識を集約し、新たなる精神生理学、精神解剖学、精神病理学、精神遺伝子学・・・さらには電子科学と精神科学を融合させた精神工学をこの世に作り出してやるのだ!」

当時の社会通念では計り知れないこの風変わりな発想と発言を、誰もが奇行であり、たわ言であると言ったが、正木教授は本気だった。

「この国の未来はわかっておる。ストレス社会の万人狂人の地獄である。もしかすると未来のわが国の首相は、バカヤロウと言って議会を解散させる奇人かもしれないし、漫画しか読まぬ阿呆がその孫かもしれぬ。正常と異常とを分け隔てるのはすでにナンセンスであるのだ。あなたの隣に住む人間が理由もなく人を殺めるかもしれない・・・男に生まれたのに自分は女だと信じ込んでしまう者もあろう、またその逆もあるであろう。これは異常なのではない。進化の過程を超え、すでに神の知識さへも得てしまった人間という種は神の決めた理からもうすでにはみ出し始めているのであろう。まさにこれは堂々巡りの目くらましという他ない。長崎地方の方言で言えば、ドグラ・マグラとでも言うのだろうか・・・我輩はそういう異常とも正常とも区別のつかない世界に住むであろう我らの子孫を救わねばならぬ。」

アスカムは、国立図書館の蔵書の隅で埃を被っていた正木教授の論文の鋭さに共感した。

「人間は母親の胎内にいる10箇月の間に、原始細胞から分裂に分裂を重ね、やがて魚の形をとり、爬虫類のような姿となり、猿の形を通り過ぎ人間の形となる・・・その成長の間に胎児は夢を見るのだ。それは、先祖たちの壮絶なる生存競争の記憶かも知れぬ。またはオスとメスに別れる前の単細胞生物時代の夢やも知れぬ。我輩はオスとメスに生物が分かれてからヒトへの進化が始まったと見ている。行き過ぎた狂った生存競争の行く先は、他の生物を殺戮しつくし、母なる星をを汚し、自身が生き残らんがために逆に自身が破滅へと導かれる阿鼻驚嘆の大絶滅である。よって人類に未来があるとすれば、単細胞時代からやり直すしかない。オスとメスに分かれずに両性を有する神のような身体を得ることが人類の大いなる黄昏を生むのだ。」

これは、まさに不条理な狂人の論理だ。しかし、アスカムはこの狂人の言葉に真理が隠されていると気付いてしまったのだ。だからこそ、アスカムの信じるこの真理と真実のために、この男を何としても見つけださなければならなかった。

「彼こそ、私を神の姿に導く者・・・」

正木教授は、精神を病んだ人々を救う精神医学者であった自分の殻を大きく打ち破り、いくつもの博士号を得て、自身の信じる科学の世界に踏み出した。しかし第二次世界大戦後、人間の進化の謎を紐解くため、太古の古生物が眠るというシベリアの永久凍土を目指し、ソビエト連邦に渡って以降・・・世間から姿を全く消し去ってしまっていた。

そして、アスカムが教授を知ってから、数ヶ月経った或る日、アスカムに一通のメールが届いた。
メールを送ったのは正木教授本人である。アスカムの一方的な思いだけではなく、正木教授自身もアスカムに興味を示していたのだ。140歳の老人の姿を想像していたアスカムだが、教授の正体は全く意外なものであった。彼を正木教授本人と定義付けて良いかさへわからないほど・・・彼は人間という形から逸脱していたのだ。このとき彼はなんと人工知能(AI)として存在していたのである。

正木教授の肉体は高齢ということもあって朽ち果てたが、彼自身の天才科学者としてのその能力によって、人間であった頃の知性と記憶と知識を併せ持った人工知能として生まれ変わっていたのである。アスカムが添付データを開くと自動的にコンピュータにソフトがダウンロードされ、正木教授との回線が開いた。

「アスカム・・・我が名は全能科学者、正木敬之改め、プロフェッサー・N.T.美砕瑠である。」

これが女帝と天才科学者・・・いや全能の人工知能との出会いであった。

続く。
  1. 2008/12/09(火) 02:37:14|
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続報。「女帝アスカムⅥ」

今や私のライフワークでもあるWeb小説「女帝アスカム」についにあの人物が登場しま~~~す。
ストーリーの流れが中断しないように、一応発表済みの第一節も改めてコピペしてあります。

第1節、スヴェトラーナ

ロシア共和国、旧レニングラード州の某都市の動物生態科学研究所。
ここは帝政ロシア時代から世界中の動植物が収集され、様々な個体が現代まで保存されてきた場所である。そして、その内部は伝統的なビザンティン式の聖堂のような外観からは全く想像出来ない最先端科学の世界が広がっている。各人種、種族のヒトゲノムをはじめ、地球の全生物のゲノム解析を行うための前線基地となっているため世界中の研究者から「ラストアーク(最後の箱舟)」と呼ばれており、ここはまさに神々の作りし生物のアトリエであった。

もちろん、この研究所にはオーパーツ以上に危険な生物学的なサンプルも封印されている。

地下に作り出された巨大な倉庫の中には、貴重な動植物の標本に混じって極秘に隠され続けてきたある物が存在しているのだ。

それは、バブルがはじけ、日本が不況に喘ぐその頃、シベリア最北端の永久凍土の中から発掘された巨大な冷凍マンモスと共に発見された。それは、マンモスを狩ろうとして雪崩の下に埋まって一緒に1万年以上も氷漬けになっていた一人の人間の姿だった。

氷の中から現れたその個体は、なんと男性器と女性器の両方を有した両性具有のまさに神のように美しい人間である。

彼・・・いや、彼女と言うべきであろうか・・・この美しき原始時代に存在していた両性人類はまさに奇跡であった。発見者の一人であるパーヴェル・チチェーリン博士は、その輝くばかりの美しい個体に心を打たれ「スヴェトラーナ(光)」と名付けた。

何故、この個体が両性を有しているのか?

その原因は、美しきスヴェトラーナの体内細胞から新種のウィルスとして発見された。このウィルスは、動物のオスの肉体に入り込むと急速に肉体の成長を退行させる。さらに胎児以下のレベルにまで肉体を退行させると、再び肉体の成長を促す。そして奇異なことに年令が再び人間の形に到達するとその肉体は両性を有しているいう代物であった。地球上の生物の遺伝や進化の常識を全く無視したこのウィルスは、まさに奇蹟の産物と言えた。

ロシアンマフィアがそのウィルスを手中にしたという情報が新宿の裏社会を牛耳るアスカムの情報網に引っかかったのは1999年の暑い夏の日の事だった。


第2節、新宿の女帝 VS ウラジオストックの女王

1999年7月、女帝アスカムは、ウラジオストックから程近い小さな町にいた。この町はロシアンマフィアの窓口として重要な拠点の一つとされている。

両性具有化ウイルス「TR-810」が盗み出され、このウラジオストックにその貴重なウイルスを所有している人物がいるという情報を得て、アスカムは今やアスカムの花嫁となったテレパシスト樹花を供に連れ、その人物と会うために今、マフィアとの交渉の席についていたのだった。

この両性具有化ウイルスを手に入れればアスカムは、自身が率いるトランスジェンダーたちの理想的なシンボルとなることができる。それは、ただ単に性を越境する(トランスジェンダー)のではなく、過去の物理的な肉体改造による施術やホルモンによる療法という誰もが手に入れられる方法を捨て去り、新たなる方法によって完全なる両性具有者、トランスサピエンス・ホルモノイドへと進化を果たすがためだ。

樹花は、アスカムの心に常にチャンネルを開いて、女帝の求める理想の世界を常に心の中で共有している。彼女はアスカムと心を融合させることでアスカムと同じことを考え、アスカムと同じ行動をとり、アスカムに隷属するすべての人間に指示を出すことができた。彼女自身、側近というよりもアスカムの一部であることを理解している。

「樹花、そういえば、私たちはハネムーンもしていなかった。君には苦労をかけ通しだね。」

アスカムは、あえて言葉に出して、彼女に語りかけた。

「アスカム、私は貴女と共にいることが幸せなのです。」

樹花もテレパシーではなく、声に出してそれに答えた。言葉に出して会話をする時、二人の間には特別の感情が芽生える。心と言葉が同調していることの幸せ・・・二人にとって、それを実感することができるだけで、それは素晴らしい時間となりえるのであった。アスカムが樹花にねっとりとキスをする。樹花はアスカムのエロティックな心を共有して蕾に蜜を滴らせた。敵の真っ只中、マフィアに囲まれ、いつ殺されてもおかしくないこの状況を二人は気にせずに楽しんでいる。それが何故なのかは後でお話しすることにしよう。

さて、この緊張を強いられるはずの交渉の席で、美しい女性二人がバーで甘いキスを交わしているこの不思議な状況にマフィアたちは呆気にとられていた。その緩んだ空気が新たに一人の女性が現れたことで一変した。アスカムたちを取り巻くマフィアたちはシベリアの風に吹かれたように心を凍らせていった。ウラジオストックで氷の女王と呼ばれるマフィアのボス・ヴァレンチーナである。

「アスカム、来たわ。」

アスカムは樹花からゆっくり唇を離すと氷のように冷徹な女王の手をとり、女王の手の甲に挨拶のキスをした。

「ブーディム ズナコームィ、ヴァレンチーナ。」

アスカムがそうロシア語で話すと氷の女王は、そこではじめて笑った。

「アスカムさん、貴女は噂通りの人。その少女のような美しさ・・・男であるとは、キスされるまで、わからなかった。何しろ、貴女のことを誰もが女帝と呼ぶ。本当にびっくりしたよ。」

「ありがとうございます。私にとって最高の褒め言葉です。」

二人は向かい合ってテーブルに着くと火が点くような強い酒の入ったショットグラスで乾杯した。その時、彼女は氷のような冷徹な心とは、まるで相反する、そう今、胃に染み込んでいく火の酒のような強い眼光をアスカムに向けて放った。

「貴女が欲しいものは、ほかのジャパニーズが欲しがっているものとはどうやら違うようだけど。」

最初に切り出したのは氷の女王の方だった。アスカムは単刀直入に言い放った。

「両性具有化ウイルス、TR-810」

マフィアたちが一斉にアスカムと樹花に銃口を突きつけた。氷の女王の心に吹雪が吹き始めるのを樹花は感じる。心を同調させているアスカムにも氷の女王のその凍てついた冷たい感情は伝わっていた。ヴァレンチーナは厳つい男たちを制して、アスカムに怒りに満ちた声を放った。

「見ろ!この醜い体をッ!!!」

氷の女王は、纏っていたパウダースノーのようにやわらかい白銀の分厚い毛皮をまるでマントを開くように両手で思い切り開いた。そこには程よく熟れた美しい女性の一糸纏わぬ姿があった。
美しく大きく張った乳房。鍛え抜かれ強靭に発達したアマゾネスを髣髴とさせる筋肉。しかし、女性的なボディラインをなぞって、その下に目を向けると禍々しくそそり立つ男の象徴が天を突いている。その猛々しくどす黒い怒張は彼女の美しさを極限まで高めていた。

「美しい・・・」

アスカムは、ヴァレンチーナの身体を目の当たりにして思わず呟いた。樹花は目の前の美しい両性具有者の美しさにふっと現れた嫉妬心を恥じて、それを心の隅に追いやった。氷の女王の火のような感情が強く伝わってくる。

「この身体のどこが美しいというのだ!!!」

アスカムと樹花はヴァレンチーナの苦悩の深さをすぐに察した。

「私は女に生まれた・・・しかし、心の中は女になれなかった。なぜなら私の心は心底、男だからだ。このウイルスを得て、整形手術といった物理的な肉体改造による偽物の醜い身体ではなく、生物学的に完全なる男に生まれ変わることができると思っていたのだ。それがどうだ。この男でも女でもない・・・これではまるで神をも冒涜する化け物の姿ではないか。私は・・・男として国家のために働きたかったのだけなのだ。」

目の前にあるその肉体は、女性美とも男性美ともとれない、まさに神の美しさだ。しかし女王はその身体を嫌悪している。先天的な性同一障害として生まれついた彼女が保守的な世界の中でレズビアンとして生き、男の身体を手に入れる直前崖下に落とされたその苦悩がアスカムの胸に深く突き刺さった。

「こんな身体になった私を誰が愛してくれるというのだ。」

マフィアたちが銃の撃鉄を起こす音が店内に響き渡る。そして、引き金にかけた指に力が入る。この無謀な二人のジャパニーズを殺らなければ自分たちの身が危ない。彼らはそう感じ・・・心が恐怖に支配されていく。女王の怒りを治めるのだ。そのために引き鉄にかけた指に力を入れろ。そう皆が念じ始める。樹花は、恐怖に支配されたマフィアたちの心の限界を悟って、イヤホン型の無線電話に指令を発した。

「教授、貴方の出番よ!」

無線電波は、電波塔と電話線等を仲介し、ウラジオストック郊外のアスカムのアジトに設置されたパラボラアンテナから、はるか上空に待機する美砕瑠人民公社の気象衛星に伝達される。
人工衛星に搭載された人工知能(AI)がまるでラジオのDJさながらに樹花のイヤフォン越しに大声を上げた。

「OK!イッツ・ショウ・タイム!!!」

人工知能ははるか上空の衛星からレーザーを放つ。
上空からのX線および熱探知でアスカムたちを取り巻く銃を正確無比に探知し、建物の屋根と壁を越えてマフィアたちの銃の撃鉄を溶かし破壊していく。
鉄が溶けて蒸発し、嫌な臭いと煙を立たせたが、そこにあるすべての銃器が使い物にならなくなった。

「ミッション、コンプリート!!!ヤフーッ。」

人工知能が高らかに叫び声を上げると樹花が感謝の言葉を返した。

「貴方っていつも最高よ!!!プロフェッサーN.T.美砕瑠。」

続く。
  1. 2008/12/06(土) 17:05:35|
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佐緒里

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